2024.02-3 工学問題及び解説
4級の10W以下より、50W機やモールス信号も使える3級試験! 一発合格を目指して頑張ってみてください。
試験問題は、4級同様過去数年間の問題のほぼ繰り返し出題となっています。言い回しや解答の仕方に若干の違いがあるくらいで設問の内容はあまり変っていません。繰り返し問題を読めば、スムーズに回答が導き出せるでしょう。
気分転換で打鍵(モールス)しながら楽しくやりたい。
問題の回答集は、後半にまとめて記載してありますので、参考にしてください。なお、工学問題については、解説を付けてありますのでより理解しやすい内容となっています。
早速、問題です。
〔問 1〕図に示す回路において、静電容量8〔μF〕のコンデンサに蓄えられている電荷が2×10-5〔C〕であると、静電容量2〔μF〕のコンデンサに蓄えられている電荷の値として、正しいのは次のうちどれか。
1. 5×10-6〔C〕
2. 6×10-6[ç]
3. 7×10-5〔C〕
4. 8×10-5〔C〕

〔問 2〕 次の記述の 内に入れるべき字句の組合せで、正しいのはどれか。
電界効果トランジスタ(FET)の電極名をトランジスタ(バイポーラトランジスタ)の電極名に対比させると、レクタは( A )に、エミッタは( B )に、ベースは( C )に相当する。
( A ) ( B ) ( C )
1.ドレイン ソース ゲート
2.ソース ドレイン ゲート
3.ドレイン ゲート ソース
4.ゲート ソース ドレイン
〔問 3〕図に示す(A)、(B)の論理回路にX =1、Y =1の入力を加えたとき、論理回路の出力Fの組合せで、正しいのはのうちどれか。 ただし、1は電圧の高い状態、0は電圧の低い状態を表すものとする。
( A ) ( B )
1. 1 0
2. 0 1
3. 1 1
4. 0 0

〔問 4〕次の記述の( ) 内に入れるべき字句の組合せで、正しいものはどれか。
SSB(J3E)送信機では、( A )増幅器の入力レベルを制限し、送信出力がひずまないように、( B )回路が用いられる。
( A ) ( B )
1. 緩衝 IDC
2. 電力 IDC
3. 緩衝 ALC
4. 電力 ALC
〔問 5〕無線印刷電信(RTTY)についての記述で、誤っているのは次のどれか。
1. 通信速度は「ボー」を用いる。
2. 「ひらがな」は送受信できない。
3. マーク信号とスペース信号が、同時に発射されることはない。
4. 周波数偏移(シフト幅)は一般に270〔Hz〕である。
〔問 6〕図に示すDSB(A3E)スーパヘテロダイン受信機の構成には誤った部分がある。これを正しくするにはどすればよいか。
1. (A)と(D)を入れ替える。
2. (B)と(C)を入れ替える。
3. (D)と(F)を入れ替える。
4. (E)と(F)を入れ替える。

〔問 7〕FM(F3E)受信機の周波数弁別器の働きについて記述しているのは、次のうちどれか。
1. 近接周波数による混信を除去する。
2. 受信電波が無くなったときに生じる大きな雑音を消す。
3. 受信電波の振幅を一定にして、振幅の変化を取り除く。
4. 受信電波の周波数の変化を振幅の変化に変換し、信号を取り出す。
〔問 8〕次の記述の( )内に入れるべき字句の組合せで、正しいのはどれか。
(1) 送信機で発生する高調波がアンテナから発射されるのを防止するため、( A )を用いる。
(2) 高調波の発射を防止するフィルタの遮断周波数は、基本波周波数より( B )。
( A ) ( B )
1. 高域フィルタ(HPF) 低い
2. 高域フィルタ(HPF) 高い
3. 低域フィルタ(LPF) 低い
4. 低域フィルタ(LPF) 高い
〔問 9〕電信送信機において、出力波形が概略以下の図のようになる原因は、次のうちどれか。
1. 電源の容量が小さい。
2. キークリックが生じている。
3. 電鍵回路のリレーにチャタリングが生じてい る。
4. 寄生振動が生じている。

〔問 10〕半波長ダイポールアンテナの放射電力を12〔W〕にするためのアンテナ電流の値として、最も近いのは次うちどれか。ただし、熱損失となるアンテナ導体の抵抗分は無視するものとする。
1. 0.4〔A〕
2. 0.8〔A〕
3. 1.2〔A〕
4. 1.6〔A〕
〔問 11〕半波長ダイポールアンテナと同軸給電線を接続するときの整合器として、一般に用いられるものは次のどか。
1. 分配器
2. バラン
3. SWRメータ
4. カウンターポイズ
〔問 12〕超短波(VHF)帯の電波を使用する通信において、一般に通信可能な距離を延ばすための方法として、誤っているのは次のうちどれか。
1. アンテナの高さを高くする。
2. アンテナの放射角を高角度にする。
3. 鋭い指向性のアンテナを用いる。
4. 利得の高いアンテナを用いる。
〔問 13 〕次の記述は、リチウムイオン蓄電池の特徴について述べたものである。( ) 内に入れるべき字句の組合せで、しいのはどれか。
リチウムイオン蓄電池は、小型軽量で電池1個当たりの端子電圧は1.2〔V〕より( A )。また、自然に少しずつ放電する自己放電量が、ニッケルカドミウム蓄電池より少なく、メモリー効果がないので継ぎ足し充電が( B ) 。破損・変形による発熱・発火の危険性が( C )。
( A ) ( B ) ( C )
1. 高い できる ある
2. 高い できない ない
3. 低い できない ある
4. 低い できる ない
〔問 14〕次の記述は、周波数カウンタの測定原理について述べたものである。 内に入れるべき字句の組合せで、正しいのはどれか。 以下から選べ。
周波数カウンタは、基準周波数により一定の( A )を区切り、その中に含まれる被測定信号の( B )を数えて周波数を求める。
( A ) ( B )
1. 時間 サイクル数
2. 時間 電圧値
3. 振幅 サイクル数
4. 振幅 電圧値
解答及び解説は、こちらから…
〔問 1 〕 1. 5×10-6〔C:クーロン〕
回路全体の電荷を求める計算式は、 Q = (C_1 + C_2 + ・・・) × V (注) (C_1 + C_2 + ・・・)は、複数のコンデンサが並んでいる場合です。
設問の場合、 8〔μF〕のコンデンサに蓄えられている電荷が2×10-⁵〔C〕 であるならば 2〔μF〕のコンデンサの電荷量は、8〔μF〕の 4分の一となります。故に、2×10-⁵〔C〕の四分の一は、0.5×10-⁵〔C〕ですから 5×10-⁶〔C〕となります。
ちなみに、8〔μF〕のコンデンサに蓄えられている電荷Qが2×10-5〔C〕ならば、逆算すると接続されている直流電源の電圧がわかりますね。
2×10-⁵=(8×10-⁶)×V ですので、 V=(2×10-⁵)/(8×10-⁶) つまり
V=(20×10‐⁶)/(8×10‐⁶)=20/8 =2.5V となります。
〔問 2〕 ( A ) ( B ) ( C )
1.ドレイン ソース ゲート

各電極名の対応は、上図のようになっています。
〔問 3〕 ( A ) ( B )
1. 1 0
論理回路は、 AND:アンド(論理. 積)、OR:オア(論理和)、NOT:ノット(論理否定)の3種類が基本です。この3つの組み合わせで、すべての論理回路を構成できます。
論理回路の出力は、”H”(ハイ又は”1”)や”L”(ロー又は”0”)のどちらかとなります。これは、信号レベルの高低を表しています。
AND回路は、入力AとBが共に ”H”の時出力が”H”となり、それ以外は”L”となります。
OR回路は、入力のA、Bどちらかでも”H”があれば出力は”H”となり、A、B共に”L”の時だけ出力は”L”となります。
NOT回路は、入力Aが反転します。”H”が入力されれば”L”、”L”が入力されると”H”が出力されます。一般的にはインバーター(反転)回路と呼んでいます。
以下に、各論理記号と論理結果表を表しています。
AND:アンド(論理. 積) OR:オア(論理和) NOT:ノット(論理否定)






ANDやORとNOTを組み合わせたものが、以下の論理回路となります。
NAND:ナンド(否定論理積) NOR:ノア(否定論理和) EXORエックスオア(排他的論理和)






デジタル回路の場合、回路内の信号は ”H”(ハイ又は”1”)や ”L”(ロー又は”0”)の集合体といっても過言ではなく、故に2進数や2進化16進コードが使われます。(この辺りは、軽く聞き流してください。)
〔問 4〕 ( A ) ( B )
4. 電力 ALC
(SSB(J3E)送信機)

ALC回路:(Automatic Level Control:自動レベル制御回路)は、入力レベルが変動しても、出力が規定の範囲を超えないよう信号の振幅や出力レベルを自動的に調整し一定に保つための回路です。
IDC回路:(Instantaneous Deviation Control circuit:瞬時周波数制御回路)は、FM(またはPM)送信機において、過大入力された音声信号によって電波の周波数偏移(デビエーション)が規定値をオーバーするのを防ぎ、一定の範囲内に制限する回路です。
〔問 5〕 4. 周波数偏移(シフト幅)は一般に270〔Hz〕である。
無線印刷電信(RTTY:Radio Teletype)は、2台のテレタイプ端末(あるいはパソコン)を無線で接続し、文字データを送受信する通信方式で、キーボードで打ち込んだ文字が相手の画面にリアルタイムで表示されます。
周波数偏移変調(FSK / AFSK)を使用し、送信するデータを「マーク(Mark)」と「スペース(Space)」の2つの異なる周波数に置き換えて送信します。
通信速度は、 一般的に45.45(ボー:ボーレートのこと)が主流であり非常に遅いですが、ノイズに強く安定した通信が可能、英数字、記号などが使われます。
ボーレート(Baud Rate)は、通信速度の単位で、1秒間に信号を変調(変形・変化)させる回数で表します。
〔問 6〕 4. (E)と(F)を入れ替える。
低周波増幅器と検波器の配置が逆ですね、高周波信号から音声などの元信号(低周波信号)を復元させるのが検波器で、その出力を増幅してスピーカーを鳴らすのが、低周波増幅器となります。
〔問 7〕 4. 受信電波の周波数の変化を振幅の変化に変換し、信号を取り出す。
周波数弁別器:入力されたFM(周波数変調)信号の周波数の変化を電圧(振幅)の変化へと変換する回路です。FMラジオの復調器(検波器)としてよく使用されます。
〔問 8〕 4.低域フィルタ(LPF) 高い
アンテナから放出されるスプリアスノイズは高調波と呼ばれ、基本波の整数倍の周波数となりますので、基本波より高い周波数帯を遮断するためには、低域フィルタ(LPF)を用います。
〔問 9〕 4.寄生振動が生じている。
寄生振動: 機器や回路内の配線や部品間に意図せず生じる微小な浮遊容量やインダクタンス成分などが原因で出力信号の一部が入力側に回り込み増幅されてループを形成するためノイズ発生の原因となります。(設問の図では、電鍵がONの状態で常に発振信号にノイズがのっている。)
キークリック:キーイングの際、急峻な立ち上がりでオーバーシュートが生じ(過渡現象)、受信すると波形の立ち上がり時に「コツッ、コツッ」という音が入ってしまうこと。その分占有周波数帯幅が広がってしまう。これは、キークリックフィルタで、スパークと共に防止できる。
キークリックフィルタ(スパークキラー)急峻な波形の立ち上がりを抑え、キークリックを防止します。また、接点間に火花が飛ぶような使い方をすると、接点寿命が短くなるのでこれを防ぐために、抵抗とコンデンサを直列に接続しコンデンサで電荷を吸収します、放電時には抵抗が電流制限抵抗として作用する。
チャタリング:おもにキーイングリレーなどで、接点が接触した瞬間にバウンスして何度か付いたり離れたりを繰り返すような振動を発生する現象のことです。
〔問 10〕 1. 0.4〔A〕
損失がない理想的な場合、放射抵抗はRは 73.13 Ω です。
計算式としては、 放射電力P=I²・R
ここで、P=12(W)、R≒73(Ω) となっていますので これを当てはめると
I²=P/R=12/73≒0.164 I≒0.4(A)となります。
〔問 11〕 2. バラン
バラン(平衡-不平衡変換器):アンテナの設置において特性インピーダンスが300Ωのリボンフィーダー(平衡)と75Ω(または50Ω)の同軸ケーブル(不平衡)を接続する時や、あるいは平衡型アンテナを同軸ケーブルに接続する時に変換を行う。
ダイポールアンテナなど完全に平衡(電気的に対称)なアンテナを同軸ケーブルに接続するためのバランを強制バラン、平衡性がくずれた平衡アンテナや地線が不完全なグラウンドプレーンアンテナなどの完全な不平衡でも完全な平衡でもないアンテナを同軸ケーブルに接続するためのバランをフロートバランと呼ぶ。
SWRメータ:(定在波比測定器)無線機から送信された電力が、アンテナへどれくらい効率よく伝わっているかを測定するための機器で、無線機からアンテナに送られた(供給)電力のうち、アンテナで跳ね返って戻ってきてしまう反射電力(定在波)の割合を数値で示すための計測器です。
カウンターポイズ:垂直アンテナ(グランドプレーンアンテナなど)は、本来大地を反射板として電波を放射するためアースが重要となります。地面から離れた場所(ベランダや車など)に設置する場合など、十分な対地アースが取れない場合にカウンターポイズがその役割を代替します。運用する周波数の 1/4波長の電線(ラジアルケーブル)を、アンテナの根元(アース側)から数本放射状に広げる構造が一般的です。
〔問 12〕 2. アンテナの放射角を高角度にする。
短波帯の電波は直進性が高く、アンテナの放射角を高角度(仰角:打ち上げ角)を高くすると、電波が電離層で反射して戻り近距離通信には有効ですが、遠距離通信をしたい場合は電波が遠くまで届かなくなり不利になります。
〔問 13〕 ( A ) ( B ) ( C )
1. 高い できる ある
リチウムイオン電池の電圧は、1セル(1つの電池)あたり標準で3.6V〜3.7Vで、自己放電が少なく、メモリ効果がほとんどないため継ぎ足し充電が可能ですが、衝撃などで発火しやすいこともあり取り扱いに注意が必要です。
これに対し、ニッケルカドミウム電池は、1セル1.2Vほどですが瞬時に大きな電力を取り出すことができ、急速充電にも対応しているものの継ぎ足し充電を繰り返すと、見かけ上の容量が減ってしまう「メモリー効果」が起きやすいのが弱点です。また、負極に使われるカドミウムが人体や環境に有害であるため、現在ではほとんど使われていません。 どちらも充電可能な2次電池に分類されます。
〔問 14〕 ( A ) ( B )
1. 時間 サイクル数
周波数カウンター:周波数を計測するための測定器で、内部クロックによる基準周波数により一定時間内に含まれる被測定信号の波の数を数えて周波数を求めます。これをサンプリングといいます。
3級問題はCW(トーン発振)の問題が2~3問程度増えますが、あとは4級問題と似たり寄ったりなので、ある程度理解ができたなぁ..と感じるようでしたら、4級を飛ばしていきなり3級を目指しても大丈夫だと思いますよ。 さあ、思い切って頑張ってみてください。 過去問を繰り返し説けば必ずや合格を手にできるでしょう。