解説編!4アマ試験問題によく出題される、トランジスタ(やFET)。これっていったい何なんでしょうか。何に使うもの? さらっと読み流してください。
トランジスタ( transistor)とは、電子回路において、信号を増幅またはスイッチングすることができる半導体素子である。
トランジスタの働きは、「増幅」と「スイッチング」。
例として、アンテナで受信した極めて微弱な信号の強弱を スピーカー で聞こえるくらいまでに拡大(増幅)する。こんな働きをするのがトランジスタの増幅作用。
アナログの入力信号の波形をそのままに、その電圧や電流の大きさのみを大きくするのです。
コンピュータなどで使用されるデジタル信号を処理する場合は、トランジスタは0と1を切り換えるスイッチの役割をするわけです。
IC(集積回路)やLSI(大規模集積回路)とはこのトランジスタの集合体です。
トランジスタの電極ごとの働き。
トランジスタには3本の足(電極)があります。それぞれ エミッタ、ベース、コレクタ といいます。
このトランジスタで構成された回路を、TTL(Transistor-Transistor-Logic)と言います。
ベースは水道の栓、コレクタは蛇口そして、エミッタはホース に例えるとわかりやすいでしょう。水道の栓を小さな力(ベースへの小さな入力信号)でコントロールする事ことで、蛇口からほとばしりでる大きな水の(コレクタに流れる電流)を調節し、その結果がホース(エミッタ)から出てくる。
電界効果トランジスタ(Field effect transistor: FET)
G:ゲート電極に電圧を加えることでチャネル領域に生じる電界によって電子または正孔の密度を制御し、S:ソース・D:ドレイン電極間の電流を制御するトランジスタである。
普通のトランジスタより、高い周波数の信号を扱うことができる。
FETには主な3種類の端子「G:ゲート」「S:ソース」「D:ドレイン」がある。ジャンクションFETは通常、以上の3端子のみを持つ。
矢印の向きは、電流の流れる方向を示すもので、電源の接続(プラスマイナスの向き)が変わります。
基本的な動作は、上の トランジスタと同じ。
D(ドレイン)は C(コレクタ)
G(ゲート)は B(ベース)
S(ソース) は E(エミッタ) に対応します。(ココ、試験問題によく出ます)
MOSFETでは「ゲート」「ソース」「ドレイン」「バックゲート/バルク/サブストレート/ボディ(半導体チップ基板で呼称が一定していない)」の4端子で構成される。チャネルの種類によりp型チャネルの PMOSとn型チャネルのNMOSの2種類がある。
特殊なものとしては、1つのチャネルに複数のゲートがあるマルチゲート(2つならダブルゲート)のFET(マルチゲート素子も参照)や、2つのFETを組み合わせたデュアルFETがある
FETは、TTL(上記参照)に比べて入力インピーダンスが非常に高く、入力端子に静電気が蓄積しやすい。MOSFETの構造自体が高電圧に対して非常にデリケート(入力ゲートの絶縁層が放電によって破壊されると回復不能となる)であるため、静電気による破損が起きやすい。 (手で触れるだけで壊れることもある)
トランジスタ、FET それぞれの 記号と電極名の違いとその対応についての問題が よく出題されますので覚えておいて損はないでしょう。