現在、 DJIドローンのみならず他のドローンメーカーでもパラシュートや墜落時の安全装置を組み込んだドローンを発売していない。墜落時の安全確保は急務と言える。
商業用輸送ドローンの開発が盛んに進められている中、人やドローンの安全性に関し緊急性も増している。
そもそも、無人の飛行物体を安全に問題なく飛ばすことの最大の懸念は、これらの物体が空から落ちてきて、無防備な歩行者が負傷したり死亡したりしてしまうおそれがあることや地蔵設備を破壊しかねないことだ。
各地で物資輸送の実証テストが盛んにおこなわれているが、その安全対策はどこまで進んでいるのだろうか。
安全な飛行ルートの選定やシステムでの対応など多くの問題を解決するべく努力がなされているが、機体そのものへの安全装置の装備も有効な策となる。
IndemnisからDJIドローン用パラシュート
CESのIndemnisのドローン用パラシュートは、アラスカのスタートアップ、Indemnisのパラシュートを装着したドローンは合法的に(比較的小人数の)人々の上を飛ぶことができ、正式に認可を受けたのはこれが初だろう。
IndemnisのNexusはDJIの空撮用ドローンのためのパラシュートで、オレンジ色の筒型ランチャーにパラシュートが収められている。
センサーがドローンの飛行に異常を検知するとパラシュートが発射される。
Nexusは火薬発射式パラシュート・ランチャー 、センサーが確実に ドローンの飛行パターン異常を検知し即座にパラシュートを開傘できるよう、5種類の異常シナリオに基づく45回の実機テストを含む多数のテストを繰り返し感性に至った。
円筒形の ランチャーは0.03秒で作動し、 パラシュートを高速で発射する。 ドローンの速度 144キロまでカバーできる。これはパラシュート・コードがドローン本体やプロペラに絡まないよう遠くに飛ばす必要からだ。
発売されたNexusパラシュート・パッケージは、DJI Inspire 2 向けキットで、Matrice 200、Matrice 600の両シリーズ向けキットも2019年後半にリリースとなっている。
Drone Rescue Systems DRS シリーズ
動画では、モーターが停止してドローンが墜落を始めるとパラシュートが発射され、機体がゆっくりと降下している。
DRONE RESCUEは搭載されているセンサーで落下開始から8m以内にパラシュートを自動で展開、地上に降ろすことができる。
降下速度は 3m/sだ。
人や機体が無傷とはいかないが致命傷防止にはなると思います。
ドローンは、高価なものが多くカメラやレーザースキャナー等積載物も高価なものが多いため、墜落は操縦者にとっても最悪の結果となる。
DRONE RESCUE 大型用、小型用、そしてDJIのMatrice600シリーズ用。
DRS-5 | DRS-10 | DRS-M600 | |
対象ドローン | 2kg~7kgまでのドローン | 5kg~20kgまでのドローン | DJI Matrice600シリーズ |
製品重量 | 300g | 390g | 420g |
製品サイズ | 120 × 75mm | 160 × 75 mm | 160 × 75 mm |
ドローンを墜落から守るパラシュートシステム「DRONE RESCUE」
ひと言
米連邦航空局(FAA)は現在、大半のドローンが人の真上を飛行することを禁じている。ドローン運営業者は、認証済みパラシュートの搭載など、強力な安全措置を取っていることを証明できれば、特定の使用事例でそうした制限の免除を申請できるそうだ。
日本国内でも航空法で厳しく取り締まりはされているが、一定の手続きを取ればDID地区での飛行は可能だ。 操縦者は、万が一の場合に備える必要性も出てくる。
ドローンの安全性を確保するデバイスは何社かが開発しており、パラシュートも一つのオプションだ。
人への衝突は命に係わるし地上設備の破損も、大きな事故へとつながるだろう。 地上にいる人々とドローン自身を守るためのこうしたデバイスは、今後益々必要になる事だろう。