
- 1. DJI Enterpriseは、DJI Mavic 3 Enterpriseシリーズ! 2022年9月発表された、DJI Mavic 3E(Enterprise)とDJI Mavic 3T(Thermal)
- 2. はどんなドローンでしょうか。
- 3. 業務仕様がメインの高性能ドローン
- 4. DJI Mavic 3 Enterpriseシリーズ! Mavic 3E(Enterprise)と Mavic 3T(Thermal)のスペック
- 5. Matrice 300/30 と比較してみましょう。
- 6. まとめ
DJI Enterpriseは、DJI Mavic 3 Enterpriseシリーズ! 2022年9月発表された、DJI Mavic 3E(Enterprise)とDJI Mavic 3T(Thermal)
はどんなドローンでしょうか。
業務仕様がメインの高性能ドローン
今後、DJI Mavic 3 Enterpriseシリーズがビジネスや公共の安全、政府の仕事などの現場で活躍すること増えるかもしれません。

Mavic 3 EnterpriseシリーズのMavic 3E(Enterprise)とDJI Mavic 3Tは、DJI のフラッグシップ機 Mavic 3シリーズの優れた機能を引き継ぎ、幅広い商業活動の場でも対応できるよう設計されています。
コンパクトなデザインや45分という飛行時間により、長時間の業務が可能になるでしょう。

11月にはMavic 3から7倍ズームカメラを取り除いた廉価版「Mavic 3 Classic」も発売されています。
これには、自動車のクルーズ機能のように一定の飛行をボタンひとつで継続することができる「クルーズ制御」やノイズが少ない綺麗な夜景を撮影する「ナイトモード」が追加された。(Mavic 3/Cineもアップデートで対応)
Mavic 3シリーズは、高度な飛行安定性、高画質カメラ、40分を超える飛行時間、携帯性など、あらゆる要求を満たしてくれると云っても過言ではないでしょう。
その特長を継承して開発されたコンパクトな産業用モデル「Mavic 3E」「Mavic 3T」の登場は、業務にドローンを活用しているユーザーにとって待望の新機種と言えますね。
DJI Mavic 3 Enterpriseシリーズ! Mavic 3E(Enterprise)と Mavic 3T(Thermal)のスペック
- 機体重量:DJI Mavic 3E:915 g、DJI Mavic 3T:920 g
- 最大積載量:1050 g
- サイズ:展開時:347.5×283×107.7 mm
- 折りたたんだ状態:221×96.3×90.3 mm
- 最大上昇速度:6 m/s(ノーマルモード)
- 8 m/s(スポーツモード)
- 最大飛行速度:15 m/s(ノーマルモード)前方:21 m/s、側方:20 m/s、後方:19 m/s(スポーツモード)
- 最大風圧抵抗:12 m/s
- 運用限界高度:6,000m
- 最大飛行時間:45分
- GNSS:GPS+Galileo+BeiDou+GLONASS(GLONASSは、RTKモジュールが有効の場合にのみ対応)
Matrice 300/30 と比較してみましょう。
ズームカメラ
Matrice 30/30T | Matrice 300 RTK (H20T) | Mavic 3 Enterprise | |
センサー | 1/2インチCMOS、 48MP | 1/1.7インチCMOS、20MP | 1/2インチCMOS、12MP |
ISO感度 | – | 動画:100 – 25600 静止画:100 – 25600 | DJI Mavic 3E:100〜6400 DJI Mavic 3T:100~25600 |
デジタルズーム | 200倍 | 200倍 | 56倍 |
光学ズーム | 5~16倍 | 23倍 | 8倍 |
動画解像度 | 4K/30fp | 3840×2160@30fps、1920×1080@30fps | 3840×2160@30fps 1920×1080@30fps |
写真フォーマット | JPEG | JPEG | |
動画フォーマット | MP4 | MP4 |
広角カメラ
Matrice 30/30T | Matrice 300 RTK(H20T) | Mavic 3 Enterprise | |
センサー | 1/2インチCMOS、 12MP | 1/2.3インチCMOS、12MP | DJI Mavic 3E:4/3型CMOS、有効画素数:20 MP DJI Mavic 3T:1/2インチCMOS、有効画素数:48 MP |
レンズ | DFOV(対角視野):84° 焦点距離:4.5 mm(判換算:24 mm) 絞り:F2.8 フォーカス:1m~∞ | DFOV(対角視野):82.9° 焦点距離:4.5mm(判換算:24 mm) 絞り:F2.8 フォーカス:1m~∞ | DJI Mavic 3E: FOV:84° 焦点距離:24 mm(35mm判換算) 絞り:f/2.8〜f/11 フォーカス:1 m〜∞ DJI Mavic 3T: FOV:84° 焦点距離:24 mm(35mm判換算) 絞り:f/2.8 フォーカス:1 m~∞ |
動画解像度 | 4K/30fp | 1920×1080@30fps | 3840×2160@30fps 1920×1080@30fps |
写真フォーマット | JPEG | JPEG | |
動画フォーマット | MP4 | MP4 | |
写真サイズ | 8k | 4056×3040 | DJI Mavic 3E:5280×3956 DJI Mavic 3T:8000×6000 |
保護等級 | IP54 | IP44 | – |
サーマルカメラ
Matrice 30T | Matrice 300 RTK | Mavic 3 Enterprise | |
センサー | 非冷却VOxマイクロボロメータ | 非冷却VOxマイクロボロメータ | 非冷却VOxマイクロボロメータ |
レンズ | DFOV(対角視野):64° 焦点距離:9.1 mm(判換算:40 mm) 絞り:F1.0 フォーカス:5 m~∞ | DFOV(対角視野):40.6° 焦点距離:13.5 mm(判換算:58 mm) 絞り:F1.0 フォーカス:5 m~∞ | DFOV(対角視野):61° 焦点距離:40 mm(35mm判換算) 絞り:f/1.0 フォーカス:5 m~∞ |
センサー解像度 | 640×512@30Hz | 640×512@30Hz | 640×512@30Hz |
デジタルズーム | 8倍 | 28倍 | |
写真フォーマット | R-JPEG(16ビット) | JPEG (8ビット) R-JPEG (16ビット) | |
動画フォーマット | MP4 | MP4 |
FPVカメラ
Matrice 30/30T | Matrice 300 RTK | Mavic 3 Enterprise | |
解像度 | 1920×1080 | 960p | – |
FOV | 161° | 145° | – |
フレームレート | 30fps | 30fps | – |

Mavic 3Eは小型の写真測量モデルで、Phantom 4 RTKの実質的な後継モデルとなっています。
GNSSの測位誤差を数cm以内に抑えるRTKに対応し、カメラは飛行中に撮影しても歪みの少ないメカニカルシャッターに進化しています。(通常Mavic 3/Cineは電子シャッター)
ベースはMavic 3と同じ4/3インチセンサーを搭載した高画質カメラ(Phantom 4 RTKは1インチセンサー)なので、露出の低い薄暗い場所等でも撮影することができる。(露出は固定です)
また、静止画の最大サイズは5280×3956pxと一般的なサイズだが、最短0.7秒間隔でシャッターを切ることができるため、バッテリー交換なしでも広範囲の測量が可能となっています。
ネットワークRTKを利用すれば、手持ちキャリーケースで手軽にドローンの持ち運びができるため、自動車でアクセスできない現場や足場の確保が難しい狭い場所や法面の測量にも活用できる。
更に、DJIが販売している他の業務用ドローンと飛行アプリケーション(DJI Pilot 2.0)が統一されたことで、上位機種のバックアップ機材としても活用できるのが便利。

Mavic 3Tはコンパクトな機体をそのままに赤外線カメラを搭載し、災害対応や点検業務への活用を目的としたモデルだ。
「Mavic 2 Enterprise Advanced」の後継機となっており、上位モデルとほぼ同等の性能を持つ赤外線カメラを小型化して搭載し、通常の光学広角カメラ(センサーサイズは1/2インチ)に加えて光学7倍×デジタル8倍の最大56倍ズームにも対応している。
これらは、従来からドローンを活用しているソーラーパネルや外壁の点検、夜間の調査業務や災害対応などにも活用できそうですね。
特に、飛行エリアが狭い都市部での点検作業などでは、近隣への騒音や第三者視点の印象による大型機では運用しにくい場面では、小型機のメリットが最大限活かせるのではないだろうか。

使い勝手や機能の向上につながる細かなアップデートが満載
機体やカメラのアップデートのほか、周辺の構成機器やパーツにもアップデートが施されている。
両モデルとも伝送システムが「O3 Enterprise」となり伝送距離が8km(日本国内)となった。
更に、プロポも最新スマートコントローラー「DJI RC Pro」のEnterprise版フォーマット「DJI RC Pro Enterprise」を採用し、テザリングにも対応、ネットワークRTKを利用する際に別途SIMカードの用意が不要となったなどの細かい部分は、ユーザーにはとって嬉しいアップデートです。
ただし、Mavic 3には防水機能が備わっていないので購入時には注意が必要です。

業務用モデルに採用される飛行アプリケーション「DJI Pilot 2.0」がインストールされた「DJI RC Pro Enterprise」だが、外観は「DJI RC Pro」とほとんど同じです。
スタンダードのMavic 3/Cine/Classicとの接続には対応していない。
バッテリー充電器は2系統出力で、1系統あたりの最大は82W合計最大100Wに強化。
Mavic 3 Enterpriseシリーズの発売で、DJIの業務用ドローンは大型(Matrice 300 RTK)、中型(Matrice 30T)、小型(Mavic 3 E/T)、と最新フォーマットの機体がフルラインナップとなった。
DJI Mavic 3T(Thermal)
DJI Mavic 3Tは、消防、捜索救助、点検、夜間業務での活用を想定し、1/2インチCMOSセンサーを備えた48MPの広角カメラ、および61°の視野角(DFOV:対角視野)と40mmの焦点距離(35mm判換算)の640×512ピクセル解像度を持ったサーマルカメラを搭載している。
望遠(ハイブリッドズーム)カメラはMavic 3Eと同じものとなる。
Mavic 3Tのサーマルカメラは、ポイントとエリアの温度測定、高温アラート、カラーパレット、等温線に対応している。
また、サーマルカメラと望遠カメラは、2画面連動の28倍連続デジタルズームを搭載しており、両画面を比較することができる。
焦点距離(35 mm判換算)24 mm・48 MPの広角カメラと、焦点距離(35 mm判換算)162 mm・12 MP・56倍ハイブリッドズームの望遠カメラに加えて、DFOV(対角視野) 61°・焦点距離(35 mm判換算)40 mm・解像度 640 × 512のサーマルカメラを搭載し、消防活動、捜索救助活動、点検、夜間業務などで活躍でそうですね。
情報の可視化
Mavic 3T のサーマルカメラは解像度640 × 512ピクセルで、スポット測定とエリア測定の2種類の温度測定方法に対応、高温アラート、カラーパレット、等温線などの機能を搭載し、目標対象の捜索や即断即決が迫られる場面で活躍します。
2画面連動ズーム
サーマルカメラとズームカメラは、2画面連動で倍率28倍までの連続ズームに対応し、2つのカメラ映像を簡単に比較できます。
共通機能
映像伝送にはDJI O3 Enterprise Transmissionを採用し、最大操作範囲は日本国内では8kmまで、1080p/30fpsで高フレームレートの映像をリアルタイムで提供する。
Mavic 3 EnterpriseシリーズのドローンはDJI AirSenseを搭載しており、飛行中の領域で有人航空機からのADS-B信号を受信し、ドローンパイロットに付近で飛行している航空機がいることを警告してくれる。
また、DJI APAS システム5.0(高度操縦支援システム)は6個の全方向性魚眼センサーにより、全方向障害物回避を実現している。
同シリーズは、飛行ミッション中の写真、動画、フライトログ、その他のデータを保護するセキュリティ機能を備えている。
ローカルデータモードを有効にすると、DJI Pilot 2フライトコントロールアプリがインターネット経由でのデータ送受信ができなくなる。機体と送信機との間の無線リンクには、AES-256暗号化を採用している。

アクセサリー各種
DJI RC Pro Enterprise
1,000ニットの高輝度画面で直射日光の下でも視界を確保し、内蔵マイクでクリアな通信を実現するプロフェッショナル送信機。
RTKモジュール
ネットワークRTK、カスタムネットワークRTKサービス、D-RTK 2 モバイル・ステーションのサポートにより、センチメートルレベルの精度を達成する。
D-RTK 2 モバイルステーション
主要なGNSS(全球測位衛星システム)全てに対応する高精度GNSSレシーバー。リアルタイム微分補正を可能とする。
スピーカー
テキストから音声への変換、オーディオストレージ、繰り返し再生が可能。
パイロットが上空からメッセージを配信できるようになるため捜索と救助の効率が向上、また害鳥排除にも使えそうです。
ソフトウェア
DJI Pilot 2
パイロットの効率と飛行の安全性を向上させるために設計された改良型の飛行インターフェース。タップするだけでドローンとペイロードを制御できる。ユーザーはドローンのハードウェア、動画ライブ配信(一部地域使用環境により異なる)、写真データにアクセス可能。
DJI FlightHub 2 (日本での発売は未定)
ドローンオペレーション管理向けのオールインワン型クラウド運用管理ソフトウェア。ルート計画とミッション管理を使用して飛行運用を効率的に管理できる。
DJI Terra
ミッション計画から2Dおよび3Dモデルの構築処理まで、作業のすべての段階で必要な機能をすべて備えたマッピングソフトウェア。
DJI Thermal Analysis Tool 3.0(DJI熱分析ツール3.0)
Mavic 3Tでキャプチャした画像を分析、注釈付け、処理し、点検時の温度異常を検出する。
2022 Lykus Titan M320 防水ケース DJI Mavic 3 Cine Premium コンボ、RC Pro 送信機または標準送信機に適用
対応機種】Mavic 3本体、最大でバッテリー5個、RC Pro 送信機or標準送信機、充電器、充電ハブ、プロペラ、フィルターケース2個と他のアクセサリーを収納可能
まとめ
業務用とあって機体価格はかなり高価なので、一般ユーザーが手にする機会はなかなかないのかもしれないが、こういった高性能ドローンが発表されることで、低価格帯のドローンの機能がこれからも進化の道をたどっていくことだろうとの期待がやまない。



