4アマ試験問題では、指示計器類(テスター等)の使い方と、分流器と倍率器の問題が1問必ず出題されます。計測器の名前と使い方、分流・倍率の計算方法などを解説してみたいと思います。
指示計器
最も一般的な指示計器であり、基礎知識として必要な 可動コイル形計器 と呼ばれるものです。一度は目にしたことがあると思います。こんなやつです。
”mA”はミリアンペア(電流計)、” _”アンダーラインは直流を表します。
電圧計の場合は、”V”ボルト、交流の場合は、”~”波線(チルダ)と表記されます。
可動コイル形計器というのは、小さなこいるに電流を流しそのコイルの周囲に発生した磁界と、コイルの両サイドに固定されている磁石の磁界の相互作用によってコイルが回転し、コイルに取り付けられている指示針によって数値を読みとる計測器全般を言います。
フレミングの左手の法則 って聞いたことありますよね。
細かい理屈は必要ありません、名前だけ覚えておいてください。
(分流器)
分流器というのは、電流計の測定範囲を拡大するために 電流計に並列に接続して電流を分散させる抵抗器の事をいいます。
分流器の抵抗値(R)と電流計の内部抵抗値( r )の比率によって測定範囲が決まります。
Rの値が、rより小さいほど電流計そのものの許容値より大きな電流を計測することができます。
(参考)
分流器の倍率を m (電流計の測定範囲を m 倍)、電流計の内部抵抗を r とするときの分流器の抵抗値 R は
となります。
(倍率器)
倍率器というのは、電圧計の測定範囲を拡大するために 電圧計に直列に接続して電圧を分散させる抵抗器の事をいいます。
(参考)
倍率器の倍率を m (電圧計の測定範囲を m 倍)、電圧計の内部抵抗を r とするときの倍率器の抵抗値 R は
となります。
Rの値が、r より大きいほど 電圧計そのものの許容値より大きな電圧を計測することができます。
各種測定器と接続方法
電流計 :測定したい負荷と直列に接続し、回路内のある1点を流れる電流を測定するものです。
電圧計 : 測定したい負荷と並列に接続し、 回路内の2点間の電位の差を測定するものです。
電力計 :測定したい負荷と直列と並列に接続し、そこで消費されるエネルギー量を測定するものです。
テスタ(回路計)
電圧・電流等の値を、複数の機能を切り替えて測定・計測できる計測機器のこと。回路計ともいう。
直流(DC)電圧・電流、交流(AC)電圧、抵抗値(R)を測定するもので、それぞれの倍率切り替えのためのダイヤルがあります。
オートテスターの場合は、切替ダイヤルは 電流か電圧か抵抗かを切り替えるのみで、倍率レンジはありません。
抵抗値を測定を開始する前に、” ゼロ点調整 ” を必ず行います。
2本のテスト棒(赤と黒)をショートさせ、指針がゼロを正確に差すように 調整用つまみを回します。デジタル方式の場合は、ゼロリセットボタンを押します。
ディップメータ
ディップメータとは、共振回路やアンテナの共振周波数を測定する専用の計測機器です。
一種の発振器であり、プローブ・コイルを対象物に近づけることにより磁場を誘導結合させて高周波の吸収量を測定することで、共振点(周波数)や発振周波数を測定するためのものです。
名前だけ覚えておいてください。
SWRメータ
SWR計(エスダブリューアールけい)は給電線等の伝送線路の定在波比(進行波と反射波)の比率を測定し、 給電線とそれに接続するアンテナのマッチング状態を 測定する測定器です。
SWRの値は、通常 1.5以下 にしなければならない。
定在波とは、 給電線(通信機の電波をアンテナへと導く電線)とアンテナとの接続部分(給電点という)において、それぞれの側のインピーダンス(回路内抵抗値)の違いによる ”高周波エネルギーの反射” が起こり、アンテナから送信機へと給電線上を戻って行く(逆流する)電圧波および電流波が現われる。これを反射波という。進行波(無線機からの高周波)と反射波(逆流する高周波)とが同時に存在すると、給電線上に定在波が発生する。
定在波によって、送信電力の一部がアンテナで反射されて送信機へ戻ってくることなので、相対的にアンテナから輻射される電力が減ってしまい、送信効率が低下することになる。また、送信機の終段素子(トランジスタや真空管)が反射電力により劣化したり最悪の場合破損したりする恐れがある。
通過形電力計
アンテナの進行電力と反射ん電力を測定して、その差から空中線(アンテナ)の電力を直接測定できる計器です。
つまり、 SWR計は 通過型高周波電力計 です。
まとめ
測定器関係の問題は、たいてい1問のみ出題されるのですが、名前と用途をさっと流し読みして頭の隅にでも入れておくといいと思います。