ドローンに関する情報サイト(便利舎ひまわり工房)

WiFi通信における、2.4GHzと5GHzとの違いとは?

WiFi通信における、2.4GHzと5GHzとの違いとは?

自宅で、ネット回線につなぐためのWIFI機器が一番身近な通信機器ですが、使用周波数の違いによる通信速度の差について。また、WIFIを利用したドローン操縦の場合の違いなどをじっくりと考えてみよう。

 

WiFiで使う、2.4GHzと5GHzとの違い

2.4GHz帯


2.4GHz帯には、1チャンネルから13チャンネルまであり、各チャンネルは5MHzずつ離れています。

これが、1チャンネル当たりの帯域幅となります。
しかし、無線LAN通信を行う際に使用する帯域幅が20MHzほどあるため、隣のチャンネルと重なり合っており、同時に利用すると干渉し合ってしまいます。

そこで、互いの電波の干渉を防ぐために、同時に利用できるチャンネルは、「1・6・11ch」、「2・7・12ch」、「3・8・13ch」のように、重なり合わないように割り当てることが必要です。

2.4GHz帯は、5GHz帯に比べ床や壁などの障害物の影響は多少小さくなりますが、この周波数帯は様々なところで利用されているため、互いに干渉し合い、通信速度が低下してしまうことがあります。

例えば、家電製品の電子レンジやコードレス電話でも2.4GHz帯を利用しています。

その他にパソコンやスマートフォン、オーディオ機器に搭載されているBluetoothも2.4GHz帯を利用しています。
そのため、電波干渉により2.4GHz帯で安定した通信を行うことが難しい場合もあります。

 

5GHz


5GHz帯にはW52・W53・W56と3つのチャンネルグループがあります。
W52は「36/40/44/48ch」の4チャンネル、W53は「52/56/60/64ch」の4チャンネル、W56は「100/104/108/112/116/120/124/128/132/136/140ch」の11チャンネル、よって全部で19チャンネルあります。
電波は、周波数が高いほど直進性がよくなりますが、言い換えれば障害物の影響を受けやすいということです。

しかし、各チャンネルは20MHzずつ離れているため、隣のチャンネルとの干渉も少なく同時に19チャンネルを使用することができ、安定した高速通信を行うことが可能となる訳です。

  

 

5GHz帯は、気象レーダ等と同じ周波数帯を使用しています。
5GHz帯を屋外で使用した場合、電波が干渉し重要なシステムに影響を与えてしまう可能性もあります。

そのようなことが起こらないように、W52・W53の8チャンネルは、屋外での使用が電波法で禁止されています。

W56の11チャンネルは屋外での使用が許可されていますが、通信を開始する前に1分間のレーダ電波の検知を行い、レーダ電波が出ていない場合に限りそのチャンネルで通信を行うことができます。(近くで管制用レーダーの電波が発射されていないことを確認するのです。)

なお、W53は屋内のみで使用可能ですが、W56と同じく1分間のレーダ電波の検知は必須になります。

5GHz帯は、2.4GHz帯と比較すると利用機器が少ないため、電波干渉も少なく安定した通信が行えますが、壁などの障害物により電波が弱まってしまったり、気象レーダの近くでは通信が遮断されたりするデメリットがあります。

そのような場面では、2.4GHz帯を選択するほうがよいでしょう。
なお、5GHz帯の無線LANは上空で使用することができません。
ドローンに搭載して無線LAN通信を行う場合は2.4GHz帯を使用することになります。

5GHZ帯でのアマチュア・モービル局として、アマチュア無線局の開設と無線機器の検査が通れば使用することも不可能ではありません。

2.4GHz/5GHz帯 産業用無線機器の製品情報はこちら

 

 

無線LANの規格別速度比較

無線LANの規格は、電気通信関連の仕様を標準化している「米国電気電子学会(IEEE)」が定めたものが国際標準となっており、規格による通信速度の違いや特徴があります。

 

IEEE802.11b

[最大通信速度]11Mbps
[周波数帯域]2.4GHz
[特徴]2.4GHz帯では事実上一番古い規格になります。
変調方式にスペクトラム直接拡散方式をベースにしたCCK(Complementary Code Keying)が使われています。802.11bで使用できるチャンネル数は全部で14個ありますが、干渉せずに同時に利用できる最大チャンネル数は4つで、1ch、6ch、11ch、14chになります。
チャンネル14は日本独自のチャンネルで対応している製品は限られているため、実質最大チャンネル数は3つになります。

5GHz帯無線LANに比べ壁などの障害物には強くなりますが、家電製品の電子レンジやコードレス電話、Bluetoothの電波干渉を受けやすく、通信の実効速度が低下してしまう弱点があります。

 

IEEE 802.11a

[最大通信速度]54Mbps
[周波数帯域]5GHz
[特徴]5GHz帯で一番古い規格になります。
変調方式にOFDMを採用し最大通信速度54Mbpsを実現しています。
現在利用できるチャンネル数は19個ありますが、電波法により、W52とW53のチャンネルは、屋外での利用が禁止されています。
5GHz帯を屋外で利用する場合は、W56のチャンネルをお使いください。

 

IEEE802.11g

[最大通信速度]54Mbps
[周波数帯域]2.4GHz
[特徴]IEEE802.11bと同じ2.4GHz帯を使用します。
変調方式にはIEEE802.11aと同じOFDMを採用し最大通信速度54Mbpsを実現しています。
チャンネル数は全部で13個ありますが、干渉せずに利用できるチャンネル数は、例えば1ch、6ch、11chの3つになります。(その他の組み合わせも可)
IEEE802.11bと同様、5GHz帯無線LANに比べ壁などの傷害物には強くなりますが、家電製品の電子レンジやBluetoothの電波干渉を受けやすく、通信速度が低下してしまう弱点があります。

 

IEEE802.11n

[最大通信速度]600Mbps
[周波数帯域]2.4GHz・5GHz
[特徴]2.4GHz帯と5GHz帯の2つの周波数帯で共通の規格です。
2.4GHz帯は通信距離が長く障害物に強いメリットがありますが、電波干渉を受けやすいというデメリットを持っています。
5GHz帯は利用できるチャンネル数が多いため電波干渉の影響を受けにくいメリットはありますが、気象レーダを検知した場合に通信が一時的に停止するデメリットがあります。
MIMOやフレームアグリゲーション、複数チャンネルを束ねてチャンネル幅を広げるチャンネルボンディングの技術を組み合わせることで最大通信速度600Mbpsを実現させました。

 

IEEE802.11ac

[最大通信速度]6.9Gbps
[周波数帯域]5GHz
[特徴]変調信号を「64QAM」から「256QAM」に引き上げることで一度に送信できるデータ量が8bitになり、IEEE802.11nと比べ約1.3倍の効率化を実現させました。
その他に、チャンネルボンディングやMIMO技術を拡張したMulti User‐MIMOを採用することにより一度に送信できるデータ量を増やし、通信速度の向上を実現させています。
Multi User‐MIMOは、1台の親機から複数の子機に向けて同時に通信を行うことができる技術で、これにより効率の高い通信が実現できています。

 

IEEE802.11ad

[最大通信速度]6.7Gbps
[周波数帯域]60GHz
[特徴]IEEE802.11の規格の中で、最新の規格となります。
直進性が強い60GHz帯の電波を使用します。
チャンネルは全部で4つあります。
60GHz帯は空気中の酸素分子に吸収されやすいため、半径10m程度のせまい範囲の通信に限られますが、チャンネル幅が2.16GHzと広い周波数帯域を使用することができるので安定したギガビットの高速通信が実現可能です。
ただし、周波数が高く、機器がまだ高価であるため対応している機器は非常に限られています。

 

無線LANの規格の確認方法

無線LANの規格を確認する方法には、次のような方法があります。
・対応規格はメーカーのホームページ情報から探します。
・親機が対応している規格は、無線LAN(Wi-Fi)機器の裏側にIEEE802.の後に「11b, 11a, 11g, 11n, 11ac, 11ad」などと記載されていますので、裏側より確認してください。
・子機が対応している規格は、Windowsのコマンドプロンプトから確認できます。
Windowsのコマンドプロントを起動し、ユーザディレクトにログインします。
『getmac /v /fo list』と入力し、接続名がWi-Fiの「アダプター」から確認を行うか、『netsh wlan show interface』と入力し、「無線の種類」から確認することができます。
2つ目の方法では、接続しているチャンネルや受信速度などの詳細情報も確認することができます。

 

無線LANの通信速度を向上させる方法

無線LANの通信速度を向上させる方法には、「MIMO」と「MU-MIMO」いうものがあります。

MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)とは、複数のアンテナを用いて対向の機器と通信を行う技術です。
情報を分割して複数のアンテナに入力(Multiple-Input)し、それらの情報をアンテナごとに伝送(Multiple-Output)することで通信速度を向上させています。
IEEE802.11nでは最大4つのアンテナでMIMO通信を行うことで、1つのアンテナで構成するSISO(Single-Input Single-Output)に比べ約4倍の通信速度が得られます。
IEEE802.11acでは最大8つのアンテナでMIMO通信を行うことでさらに高速な通信を実現させています。

MU-MIMO(Multi User-MIMO)は、電波の指向性を高めて、子機に光の束のように電波を集中させて送信する技術(ビームフォーミング)を活用しているMIMOです。
通常のMIMOは時分割で子機ごとに情報を送りますが、MU-MIMOは同時に複数の子機に情報を送れるので、より高速でかつ遠距離通信を行うことができます。

無線LANには、現在上述の6種類の規格があります。
それぞれの規格には特徴があり、速度や周波数帯も異なります。
2.4GHz帯は、障害物の影響は少ないが、電子レンジやBluetoothなどの家電製品の干渉による影響は受けやすいです。

5GHz帯は、帯域幅が広く他の機器からの電波干渉は少ないが、障害物の影響により通信速度が遅くなる場合があります。

利用例として、障害物が多い家の中で接続する場合は、2.4GHz帯の利用をおすすめします。

障害物が少なく開けている場所や親機の近くで接続する場合は、5GHz帯の利用をおすすめします。

利用する前に無線LANの規格を確認し、場面に適した規格を選択しましょう。

 

 

総務省電波利用ホームページより抜粋

1.無線LANの周波数と利用可能場所

無線LANが使用する電波の周波数は大きく分けて2.4GHz帯と5GHz帯があり、5GHz帯は5.2GHz、5.3GHz、5.6GHz帯に分けられます。これまで屋外利用可能な周波数帯は2.4GHz帯と5.6GHz帯でしたが、平成30年2月に情報通信審議会からの一部答申を受け、平成30年6月から条件付で5.2GHz帯の屋外利用が可能になりました。

 

2.4GHz帯

2400-2497MHz :  屋外利用OK

5GHz帯

5.2GHz帯(5150-5250MHz) : 条件付きOK

5.3GHz帯(5250-5350MHz) : 不可

5.6GHz帯(5470-5725MHz) : OK (上空を除く)

 

※5.2GHz帯の屋外利用の条件

  • 人工衛星に影響を与えない(上空側へ強い電波が出ない)工夫が施された専用機器を利用する。
    (「5.2GHz帯高出力データ通信システム」の技術基準適合証明等を取得した機器)
  • アクセスポイント及び中継器については、事前に総合通信局に「登録局」の手続が必要。
  • 気象レーダーに影響を与えない場所(告示*に示す「開設区域」内)でのみ利用可能。

*平成30年6月29日総務省告示第223号(5150MHzを超え5250MHz以下の周波数の電波を使用する無線局の開設区域を定める件)を示す。以下同じ。

 

 

5.2GHz帯の屋外利用

5.2GHz帯は、衛星通信システムのフィーダリンクと周波数を共用しています。

また、隣接周波数帯に気象レーダーが使用しています。

このため、これらのシステムと共用を図りながら屋外利用を可能とするため、5.2GHz帯の屋外利用には条件が設けられています。

 

 

  1. 5.2GHz帯のアクセスポイント、中継器の屋外利用 5.2GHz帯を使用するアクセスポイントや中継器を屋外で利用する場合、衛星システム及び気象レーダーに影響を与えないよう、
    1. 専用の機器
    2. 事前に総合通信局に「登録局」の手続
    3. 告示に示す「開設区域」内での利用 等が必要です。

 

専用の機器について

衛星への影響を与えないような電波の仕組みが施された、「5.2GHz帯高出力データ通信システム」の基地局(AP)又は陸上移動中継局(中継器)の技術基準適合証明又は工事設計認証を取得した、専用の機器を使用する必要があります。

 

事前の「登録局」の手続について

無線局の免許制度の代わりに、手続が簡素化された「登録局」制度が「デジタル簡易無線局」や「5GHz帯無線アクセスシステム」に採用されています。

5.2GHz帯高出力データ通信システムの基地局又は陸上移動中継局を使用する際は、事前に総合通信局にこの「登録局」の申請手続が必要です。

なお、「包括登録」では一度に複数の無線局の登録が可能です。包括登録では、総合通信局から「登録状」の交付を受けた後、実際に開設・運用を開始したら15日以内に「開設届」を総合通信局に提出して下さい。

5.2GHz帯高出力データ通信システムの登録局の運用に際しては、「第三級陸上特殊無線技士」の「無線従事者の資格」が必要になります。

この資格は、あくまでも事業用としての利用に関することですので、アマチュア局として個人が非営利の目的で使用する場合は、アマチュア無線技士4級の資格が必要となります。

また、登録の申請手数料、は以下の通りです。

電波利用料 料額表   (令和4年10月1日改正)

申請手数料個別登録窓口申請2,300円/1局 (再登録は1,450円/局)
電子申請1,700円/1局 (再登録は1,050円/局)
包括登録*1窓口申請2,900円/1登録申請 (再登録は1,850円/登録申請)
電子申請2,150円/1登録申請 (再登録は1,400円/登録申請)
電波利用料
(年額)
個別登録10mW以下*210,400円/1局
10mW超*212,700円/1局
包括登録1,980円/1局
  • *1 包括登録では、1登録申請で複数の無線局の登録、運用が可能です。(申請の単位は、無線局免許手続規則第25条の16によります。)
  • *2 空中線電力

 

告示に示す「開設区域」内での利用について

前述のとおり5.2GHz帯の隣の5.3GHz帯の周波数帯には、気象レーダーが運用されています。このため、無線LANと周波数が近い、中部国際空港、大阪国際空港(伊丹空港)、福岡空港の気象レーダーに混信を与えないよう、特定の開設区域で使用する場合は、無線LANの電波のビームがこれらの空港の方を向かない、或いは、最大EIRPを200mW以下とすることが必要です。

  

5.2GHz帯のアクセスポイント、中継器の高出力化

>5.2GHz帯の屋外利用に併せ、アクセスポイント(AP)等のアンテナ出力(EIRP)の高出力化を可能としています。従来、5.2GHz帯無線LANのEIRPは200mW相当までとなっていますが、登録局は1W相当まで可能としています。EIRP200mW超~1W相当で利用する場合、屋外利用と同じ条件が必要となります。

  

 

WIFIを使ってドローンの空撮映像を地上に送信する場合は何かと面倒なことが多いので、結局のところ国内認証品の機体を購入するのが手っ取り早いということです。

 

 

アウトドア・気ままに山開拓/ひまわり工房

ドローン情報サイト/ひまわり工房

 

 

 

ひまわり工房・アウトドアで空撮カテゴリの最新記事