ドローンでFPVをするために! 第3級陸上特殊無線技士の国試合格を目指そう。
2021年6月期・工学問題解説
試験問題の番号ごとに、説明をしていきます
〔13〕 図に示す回路の端子 ab 間の合成抵抗の値として、正しいのはどれか。
正答: 2
ポイント:直列の場合は単純に二つの抵抗値を加算するが、並列の場合は次の並列計算を使います。
全体の抵抗=1÷( (1÷ a ) + ( 1 ÷ b )) となり、結果は 10KΩ となります。
又は、上記の式を変換した、次の式でも計算できます。
全体の抵抗 = (a× b )÷( a + b ) 結果は 10KΩ となります。
〔14〕 図に示す NPN 形トランジスタの図記号において、電極 a の名称は、次のうちどれか。
正答: 4
ポイント: PN接合型トランジスタと、FET(電界効果トランジスタ)の2種類を覚えておきましょう。
PN接合型トランジスタに比べ、FET(電界効果トランジスタ)は内部抵抗が大きく高周波信号に適しているため 、PN型トランジスタでは実現できなかった高周波回路への応用が可能となり、回路全体をより小型集積化する事が可能となりました。
〔15〕 図に示す水平半波長ダイポールアンテナのlの長さと水平面内の指向特性の組合せで、正しいのはどれか。
正答: 2
ポイント: エレメントに垂直な方向では電磁波の放射が最大となり、エレメントに平行な方向には 電磁波の放射がゼロになる。放射の角度と強度の関係を指向性と言い、図で示すと、「8」の字のように円を2個連ねたように見えます。 ただし、地面近くに設置した水平ダイポールの場合は、地面との影響を受けるため、設置された地上高により垂直面内の指向性に変化が生じます。
〔16〕 次の記述は、超短波(VHF)帯の電波の伝わり方について述べたものである。誤っているのはどれか。
1.光に似た性質で、直進する。
2.通常、電離層を突き抜けてしまう。
3.見通し距離内の通信に適する。
4.伝搬途中の地形や建物の影響を受けない。
正答: 4
ポイント: 周波数が高い(波長が短い)電波程直進性が良くなる分、伝搬経路にある障害物の影響を受けやすくなります。そのため見通し距離内通信に使われるのです。
〔17〕 次の記述は、鉛蓄電池の取扱い上の注意について述べたものである。誤っているのはどれか。
1.3 か月に 1 回程度は、放電終止電圧以下で使用しておくこと。
2.充電は規定電流で規定時間行うこと。
3.直射日光の当たらない冷暗所に保管(設置)すること。
4.常に極板が露出しない程度に電解液を補充しておくこと。
正答: 1
ポイント: 鉛蓄電池の 場合は、うっかり完全放電をしてしまうと充電能力が低下してしまうのは皆さんご存知だと思います。 たまに、自動車でやってしまった方もいると思います。
〔18〕 次の記述は、アナログ方式の回路計(テスタ)で直流電圧を測定するとき、通常、測定前に行う操作について述べたものである。適当でないものはどれか。
1.測定する電圧に応じた、適当な測定レンジを選ぶ。
2.電圧が予測できないときは、最大の測定レンジにしておく。
3.測定前の操作の中で、最初にテストリード(テスト棒)を測定しようとする箇所に触れる。
4.メータの指針のゼロ点を確かめる。
正答: 3
ポイント:テスタの指針は非常に微妙なため、適正なレンジで使用しないと破壊してしまうことがあります。測定対象に合わせたレンジに切り替えてあるかを必ず確認しましょう。 事故防止の為、保護回路内蔵や自動レンジ式のものも多く発売されています。
〔19〕 AM(A3E)送信機において、音声信号で変調された搬送波はどのようになっているか。
1.断続している。
2.周波数が変化している。
3.振幅が変化している。
4.振幅、周波数ともに変化しない。
正答: 3
ポイント:変調の種類を覚えておきましょう。
他にも、PCM やPWM といったパルス変調やデジタル変調などもあります。 特殊無線では、これらを組み合わせた 多重変調が使われています。
〔20〕 次の記述は、アナログ通信方式と比べたときのデジタル通信方式の一般的な特徴について述べたものである。誤っているものを下の番号から選べ。
1.信号処理による遅延がない。
2.雑音の影響を受けにくい。
3.秘話性を高くすることができる。
4.受信側で誤り訂正を行うことができる。
正答: 1
ポイント: 信号変換や多重処理が行われる分処理時間がかかり、結果信号伝達に遅延が生じてしまいます。
〔21〕 次の記述は、多元接続方式について述べたものである。□ 内に入れるべき字句を下の番号から選べ。
TDMA は、一つの周波数を共有し、個々のユーザに使用チャネルとして □ を個別に割り当てる方式であり、チャネルとチャネルの間にガードタイムを設けている。
1.周波数
2.拡散符号
3.変調方式
4.極めて短い時間(タイムスロット)
正答: 4
ポイント: TDMA (Time Division Multiple Access) とは、時分割多元接続 / 時分割多重アクセス の事です。 これは、同一の通信路を複数の通信主体で混信することなく 共用するための多元接続(多重アクセス)技術の一つで、時間的に伝送路を分割して複数の主体で同時に通信する方式 です。これにより、より多くの通信回線を同時に確保することができます。
周波数帯を分割して割り当てるFDMA(Frequency Divition Multiple Access:周波数分割多元接続)よりも周波数の利用効率は高いのですが、干渉を避けるためタイムスロットの間にわずかな無通信時間を挿入しなければならないため時間効率は悪くなってしまいます。
〔22〕 次の記述は、デジタル変調について述べたものである。□ 内に入れるべき字句を下の番号から選べ。
入力信号の「0」又は「1」によって、搬送波の位相のみを変化させる方式を、 □ という。
1.ASK
2.FSK
3.QAM
4.PSK
正答: 4
ポイント:PSK は、デジタル変調の位相偏移変調(Phase-Shift Keying)のことです。 これは、搬送波の位相を変化させて、それぞれにデジタル信号のビット値を割り当てる変調方式で、使用する周波数帯域が狭く雑音耐性が高くなります。しかし位相を細かく分けると単位時間当たりに送信できるデータ量が増えるものの受信時の誤り率が高くなります。
〔23〕 次の記述は、単信方式の FM(F3E)送受信機において、プレストークボタンを押して送信しているときの状態について述べたものである。正しいのはどれか。
1.スピーカから雑音が出ているが、受信音は聞こえない。
2.スピーカから雑音が出ており、受信音も聞こえる。
3.スピーカから雑音が出ていないが、受信音は聞こえる。
4. スピーカから雑音が出ず、受信音も聞こえない。
正答: 4
ポイント:プレストーク(Press Talk) 、プッシュ・トゥ・トーク (PTT : Push to Talk) などと呼ばれており、 送信ボタンを押している時に音声送信状態となる、音声通話の方式で す。
〔24〕 無線送受信機の制御器を使用する主な目的は、次のうちどれか。
1.送受信機を離れたところから操作するため。
2.電源電圧の変動を避けるため。
3.送信と受信の切替えのみを行うため。
4.スピーカから出る雑音のみを消すため。
正答: 1
ポイント: 制御器は、無人の無線局舎(中継局)などに設置される無線基地局をリモート操作するための装置です。
中継基地ごとに人員を配置しなくてもいいようにするためです。
毎年3回行われる試験ですから、焦らず慌てずじっくりと取り組んでみてください。
ひたすら過去問題を解いてみることが、合格への一番の近道だと思います。
頑張ってください!