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新報!2019年9月18日付。『航空法一部改正』の詳細。

新報!2019年9月18日付。『航空法一部改正』の詳細。
目次

『航空法及び運輸安全委員会設置法の一部を改正する法律』『航空法施行規則の一部を改正する省令』

国土交通省からのお知らせ: 無人航空機の空港周辺での飛行禁止空域の拡大について。

このようなメールが届きました。ドローンに関するルールが日々検討・追加され今後大きく変化していくでしょう。(内容は下記のとおりです、ご参照ください。)

ドローン情報基盤システム(DIPS)ご利用者様

平素より航空行政へのご理解ありがとうございます。 今般「航空法施行規則(令和元年国土交通省令第29号)」・「無人航空機の飛行禁止区域等を定める告示(令和元年国土交通省告示第461号)」が全面施行され、一部の空港について航空法第132条第1号の禁止空域が拡大されております。 告示で定める空港(新千歳空港・成田国際空港・東京国際空港・中部国際空港・関西国際空港・大阪国際空港・福岡空港・那覇空港)では、新たに進入表面若しくは転移表面の下の空域又は空港の敷地の上空の空域が飛行禁止空域となっております。 また、同日付けで「航空法及び運輸安全委員会設置法の一部を改正する法律(令和元年法律第38号)」・「航空法施行規則の一部を改正する省令(令和元年国土交通省令第29号)」が一部施行・全面施行され、以下の無人航空機の飛行の方法が追加されます。 ・アルコール又は薬物等の影響下で飛行させないこと ・飛行前確認を行うこと ・航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するよう飛行させること ・他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと 航空法の詳細は、次のサイトをご確認ください。 無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール (国交省HPより)

2019年4月23日からスタートした「ドローン飛行情報共有サービス」とは、国土交通省が発表したシステム・・・。

無人航空機の運航者が飛行前に飛行計画情報を登録することで、サービスを利用する他の無人航空機の運航者や航空機の運航者と情報を共有できるほか、本サービス上に登録された、地方公共団体が個別の法令で定めた飛行禁止エリアをまとめて確認することが可能です。

国土交通省より

「どこでドローンが飛ぶ予定なのかを、みんなで共有しよう」というもので強制ではありませんでしたが、2019年7月26日以降のドローン飛行許可について、ドローン飛行情報共有サービスの入力が必須になりました。

本改正の施行により、今後、新たに航空法に基づく許可・承認を受け、飛行を行う場合は、その都度、飛行前に「飛行情報共有システム」を利用して飛行経路に係る他の無人航空機の飛行予定の情報等を確認するとともに、当該システムへ飛行予定の情報を入力することが必要となります。 国土交通省より

以下、わかりやすく整理してみましょう。

  • 2019年7月26日以降に取得した個別申請:入力必須
  • 2019年7月26日以降に取得した包括申請:毎回入力必須
  • 2019年7月26日以降に申請不要の飛行 :必須ではないが共有が望ましい
  • 2019年7月26日以前に取得した個別&包括申請:必須ではないが共有が望ましい
  • 7月26日以前に取得した包括申請(年間)は入力必須ではありませんが、7月26日以降の取得に関しては、すべてにおいて入力が必須です。

例えば包括申請を取得した場合、飛行毎に飛行情報共有システムの入力を行わなければなりません。

「飛行情報共有システム」の入力を条件に、国土交通省航空局が許可を下ろすため、強制的にドローン飛行情報共有サービスが有効活用されていく訳です。

今回、①~④の項目が追加され、合計10項目となりました。

飛行方法10個

詳細については、「国土交通省からのお知らせ無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルールについて」のリーフレットをご確認ください。

アルコール等の影響により正常な飛行ができないおそれがある間の飛行禁止

体内に保有するアルコール濃度にかかわらず体内にアルコールを保有する状態では無人航空機の飛行を行わないこと。

公共の場所において無人航 空機を飛行させた場合には1年以下懲役又は 30 万円以下の罰金が科される。 ここで「公共の場所」とは、公衆すなわち不特定多数の者が自由に利用し又は出入り することができる場所をいい、道路、公園、広場、駅等がこれに含まれ得る。河川敷や海岸も該当してきます。

飛行前確認:飛行に必要な準備が整っていることを確認した後の飛行

飛行前に機体の点検等を実施することで故障等による落下を防止するため、航空法 第 132 条の2第2号により、飛行に必要な準備が整っており機体や周辺環境などをチェックして安全を確認した後にお いて飛行させることとしている。

当該無人航空機の状況について外部点検及び作動点検を行うこと

  • 各機器(バッテリー、プロペラ、カメラ等)が確実に取り付けられ
    ていること。
  • 機体(プロペラ、フレーム等)に損傷や故障がないこと。
  • 通信系統、推進系統、電源系統及び自動制御系統が正常に作動する
    こと。

当該無人航空機を飛行させる空域及びその周囲の状況を確認すること

  • 飛行経路に航空機や他の無人航空機が飛行していないこと。
  • 飛行経路下に第三者がいないこと。

今まで:人口集中地区や人から30m以上離れていたら法律的にOKでしたが、すべての場所で第三者の上空はNGとなります。

当該飛行に必要な気象情報を確認すること

  • 風速が運用限界の範囲内であること。
  • 気温が運用限界の範囲内であること。
  • 降雨量が運用限界の範囲内であること。
  • 十分な視程が確保されていること。

風速や気温、降水量(雨天)、濃霧などの気象条件を確認して、飛行に必要な準備が整っていることを確認します。

運用限界の解釈としてのドローンの機種ごとに、スペック表に記載のある機体性能・仕様という事になるでしょう。

耐風速については10m/sだったり、動作環境温度も-10℃~40℃だったり。雨が降っていたらダメですね。

燃料の搭載量又はバッテリーの残量を確認すること

  • 十分な燃料又はバッテリーを有していることの確認

上記の4つの「飛行に必要な準備が整っていることを確認する」ことで、飛行開始となる訳です。

航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するための方法による飛行

航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するため、航空法第 132 条の2第3号 により、無人航空機をその周囲の状況に応じ地上に降下させる等を考慮し飛行させること。

もしヘリコプターやセスナ、他のドローンが近づいてきた場合に、そのドローン操縦者は以下の方法で、衝突をさけなければなりません。

  • 地上に降下させる
  • 安全な間隔を確保して飛行させる
  • 衝突の可能性がある方向とは、逆に移動させる

さらに、本当に追突しそうになった場合には、空中で緊急停止も辞さずに、衝突を回避しなければなりません

ドローンの操縦者からヘリコプターやセスナなどは目視・飛行音での確認ができます。しかし、航空機側の操縦者はドローンが飛んでいることを直前まで近づかないと確認できません。

ドローン操縦者側が必ず「すぐに降下する」を徹底しなければなりません。

他人に迷惑を及ぼすような方法での飛行禁止

不必要に騒音を発したり急降下させたりする行為は、周囲に不快感を与えるだけでなく、危険を伴うこともあることから、航空法第 132 条の2第4号により、他人に迷惑を及ぼすような方法での飛行を禁止している。

航空法第 132 条の2第4号の規定は、危険な飛行により航空機の航行の安全や地上の人や物件の安全が損なわれることを防止することが趣旨である。

国土交通省航空局「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」より

主要空港の飛行禁止エリア拡大

そして今回、主要な空港の進入表面・転移表面は飛行禁止となり、空港付近の禁止エリアが拡大しました。

同日付けで「航空法施行規則(令和元年国土交通省令第29号)」・「無人航空機の飛行禁止区域等を定める告示(令和元年国土交通省告示第461号)」が全面施行され、一部の空港について航空法第132条第1号の禁止空域が拡大されます。告示で定める空港(新千歳空港・成田国際空港・東京国際空港・中部国際空港・関西国際空港・大阪国際空港・福岡空港・那覇空港)では、新たに進入表面若しくは転移表面の下の空域又は空港の敷地の上空の空域が飛行禁止空域となります。当該空域での飛行に係る許可には、空港設置管理者との事前調整が必要となりますので、ご注意下さい。

その他空港やヘリポート等

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今回、飛行禁止になったのは主要空港の「進入表面」と「転移表面」なので、その他の空港やヘリポートに関しては、今まで通りの扱いになります。

日経新聞に「2022年度に向けてドローン登録制導入」という記事が掲載されました。

2022年度をめざし、所有者や使用者、機種などの登録制度を創設する。機体の安全基準や使用者の技能を証明する制度もつくる。(中略)

登録制を導入すれば事故や紛失などが起きた際、警察が事故の原因や関与した人を特定しやすくなる。行政が認めていない不特定多数のドローンが空を飛ぶ事態も避けられる。(中略)

登録制度は米国のほかカナダ、英国、フランス、オーストラリア、中国などが既に導入している。そのほとんどの国では、登録していないドローンを飛行させると罰則が科される。日経新聞「ドローン商用ルール整備へ まず登録制、安全基準も」より

最後に!

徐々にドローンの法律上の運用方法も固まりつつあります、ようやくといった方がいいかもしれません。

事業者も一般ユーザーも、航空法・電波法そして条例などをしっかりと理解していかなければなりません。

航空法違反の罰則

これらの航空法および飛行ルールに違反した場合、「50万円以下の罰金」が課されることがあります。さらに、今回新たに設けられた「飲酒時の飛行禁止」に違反した場合は、「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」が課されることがあります。

今年5月には、飛行禁止区域でドローンを飛行させたとして、外国人旅行者を含む3名の男性が書類送検されました。多分大丈夫だろう と安易に考えず、ルールを守って楽しく安全・適切な飛行を心がけましょう。

「 知らなかった 」では済まされないのです。

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